下痢とは
下痢とは、通常よりも水分が多く、柔らかい便が頻繁に出る状態のことを指します。
ほとんどの方が一度は経験する一般的な症状であり、一時的な体調の変化や食生活の影響で起こることが多いです。
例えば、「トイレに行く回数が増えた」「水分の多い便が続く」などの症状が見られます。
多くの場合、自然に回復しますが、長期間続く場合や体調に影響を与える場合は、原因として他の病気が隠れている可能性もあります。
下痢の原因は?
下痢を引き起こす主な要因には、以下のようなものがあります。
食生活の影響
冷たい飲み物、脂っこい食事、食べ慣れない食品などが腸を刺激することがあります。
ストレスや精神的負荷
大事な試験やプレゼンの前に「お腹がゴロゴロする」と感じたことはありませんか?
腸は心の影響を受けやすく、緊張や不安が腸の働きに影響を与え、便が緩くなることがあります。
腸内環境の乱れ
抗生物質の使用や偏った食生活により腸内細菌のバランスが崩れることがあります。
感染症
ウイルス(ノロウイルス、ロタウイルス)、細菌(サルモネラ菌、腸管出血性大腸菌)、寄生虫(アニサキス、ジアルジア)などが原因となることがあります。
消化器系の病気
過敏性腸症候群(IBS)、潰瘍性大腸炎、クローン病など、専門的な診察が必要な疾患が関与する場合もあります。
大腸ポリープ・大腸がん
早期の大腸ポリープや大腸がんは無症状で進行することが多いですが、腸が狭くなると便秘や下痢、血便などの症状が出ることがあります。
大腸ポリープは良性であることが多いものの、一部は放置するとがん化する可能性があるため、定期的な検査が推奨されます。
下痢の検査
下痢の原因を特定する検査には、以下のような検査があります。
- 便検査:感染症や腸内環境の異常を調べます。
- 血液検査:炎症や栄養状態をチェックし、消化器系の異常がないか確認します。
- 内視鏡検査(大腸カメラ):長引く症状や血便がある場合に、腸内の状態を詳しく調べます。
下痢が続く場合は?
下痢は適切な対応を行うことで改善できることが多いため、以下の点に気をつけましょう。
- 生活習慣の見直し:刺激の強い食事を控え、胃腸に優しい食事を意識する。
- 腸内環境を整える:整腸剤や発酵食品を活用し、腸のバランスを整える。
- ストレス管理:リラックスする時間を作り、腸への負担を減らす。
受診の目安
次のような症状が見られる場合は、早めに受診してください。
- 1週間以上続く下痢:一時的なものではなく、何らかの異常が関与している可能性があります。
- 血便や黒い便:腸の炎症や出血の可能性が考えられます。
- 発熱や脱水症状を伴う:体の水分バランスが崩れ、深刻な状態になることがあります。
- 強い腹痛を伴う:特に右下腹部の痛みがある場合は、他の疾患の可能性があります。
定期的な検査も大切です
大腸の病気は、早期には症状が現れないことが多いため、定期的な検査が大切です。
特に40歳以上の方は、ポリープや大腸がんのリスクが高くなるため、定期的な大腸カメラ検査を受けることを推奨します。
検査によりポリープが発見された場合、早期に切除することでがんへの進行を防ぐことができます。
お気軽にご相談ください
当院では、消化器専門医が患者様の症状を詳しく伺い、最適な検査・治療を提案します。
下痢の症状が続く場合や、不安がある場合は、早めにご相談ください。
定期的な検査を受けることで、大腸の健康を守り、安心して生活できる環境を整えることができます。
下痢症状でお悩みの方はご遠慮なく来院・お問い合わせください。